数列は公式を覚えるだけじゃ全然だめ?10分でおさえる数列

数学Bには、数列という分野があります。

しかし、この分野、公式を覚えるだけでは

全然ダメだったりします。

 

 

この数列というやつは、

なかなか、得意な人と苦手な人の点数の差が

とても激しい分野です。

 

 

忘れもしない高2の冬の駿台

全統模試か何かで、選択分野(数列)のみ

の偏差値が出る欄があります。

 

 

そこで友人はなんと偏差値90という

ありえないような数字を出していました。

 

 

なぜそんなことが起きたかと言うと、

数列習いたての全国の高校生たちは数列が

とても苦手で、平均点が8/50点とかだったのに

対して、

 

 

彼は普通に50/50点(満点)をとっていた

からでした。

 

 

そんな逸話が僕の中で語り継がれているほど、

苦手な人の多い数列。

それを可能な限り簡単に、ここでは

解説していきます。

 

 

そもそも数列ってなに?

 

 

そもそも、数列って何なのでしょうか。

答えは、至って簡単です。

数の列です。数の並びです。

 

1,2,3,4,5...   これも数列

3,8,4,7,1...   これも数列

 

とにかく数がならんでいれば

数列です。ここで、この先に

どんな数が続くのか、を予想

するクイズが数学の問題、

 

 

だと思ってください。

1,2,3,4,5...   なら、次は6!

2,4,6,8,10..  なら、次は12!

とかなんとなく分かりますよね?

 

 

でも、1,1,2,3,5,8...で100番目に

並んでいる数は?といわれたら?

かなり難しそうです。

 

 

そういうのを求めるクイズが

数列の分野だと思ってください。

 

 

等差数列ってなに?

まず、等差数列を学びましょ!

等差数列というのは、等しい差の

数列です。漢字のままですね!

 

 

等しい差というのは、隣同士の数の差

が同じという意味です。例えば、

1,2,3,4..これは、隣同士が一つずつ

増えていますので等差数列です。

 

 

以下もすべて、等差数列です。

2,4,6,8,10...(2ずつ増えている)

6,5,4,3,2...(1ずつ減っている)

-10,-7,-4,-1,2...(3ずつ増えている)

 

 

結構簡単じゃないですか?

じゃあ次に、n番目の数も求めましょう!

 

 

いきなりn番目とかいわれると分からなく

なる人がいますが、

 

 

例えば、-10,-7,-4,-1,2...の100番目の数、

とか、150番目の数、といわれても、

すぐに答えられるようにする!という

ことです。

 

 

nにどんな数字が入っても、良いように

もとめる訳です。具体的に見た方が分かりやすい

ので早速具体例にいきます。

 

-10,-7,-4,-1,2...

 

この数列のn番目の数を求めましょ!

実は、考え方は簡単で、数列の最初の数(-10)

に、(n-1)回だけ、隣同士の差の(3)を足せば良い

んです。つまり、

 

 

2番目の数なら、-10に、1回だけ3を足すと、

-10+3=-7

 

3番目の数なら、-10に、2回だけ3を足すと、

-10+3+3=-4

 

4番目の数なら、-10に、3回だけ3を足すと、

-10+3+3+3=-1

 

5番目の数なら、-10に、4回だけ3を足すと、

-10+3+3+3+3=2

 

 

ということで、-10,-7,-4,-1,2という数列に

なっているわけです。

じゃあ、100番目の数は?ときかれたら。

 

 

100番目の数なら、-10に、99回だけ3を足だけなので、

-10+3+3+3+3+3+3・・で99回足すわけなので、

-10+3×99=287

と分かります。

 

 

150番目の数なら、-10に149回3を足すだけです。

-10+3×149が答えです。

 

 

つまり、n番目の数なら、

-10+3×(n-1)な訳です。

これで、nに数字を入れれば、

何番目の数字でも分かります。

 

 

ここで、-10は数列の初めの数です。

そして、3というのは隣同士の差です。

この隣同士の差のことを、公差というので、

これから覚えておいてください。

 

 

数列を見たときに、最初の項がaで、

交差がdだった場合、n番目の数は、

a+d×(n-1)となります。

さきほどの、-10+3×(n-1)と比べると分かりますよね。

 

 

もうこれであなたは、

どんな等差数列でもいけます。

例.

-12,-5,2,9,16...の50番目の数は?

 

 

最初の項がa、交差dとすると、n番目は、

a+d×(n-1)なので、例の場合、a=-12,d=7,n=50

を入れると、-12+7×49=331が、この数列の

50番目となります。

 

 

ということで、これだけここでは覚えよう。

最初の項がa、交差dとすると、n番目は、

a+d×(n-1)

 

 

等比数列とは

 

等比数列とは、非が等しい数列です。

比というのは、隣同士で何倍になっているのか

ということです。

 

 

例えば、こんな数列

1,2,4,8,16,32...(隣に行くと2倍になっている)

2,6,18,54,162...(隣に行くと3倍になっている)

のことです。

 

 

上の数列なら、隣同士の比は1:2に、

下の数列なら、隣同士の比は1:3に、

どこを見てもそうなっています。

なので等しい比率で等比数列

 

 

さて、この場合も同じように、

n番目の数を求めていきましょ!

2,6,18,54,162...

 

 

これはどうなっているかというと、

2番目は、2×3=6

3番目は、2×3×3=18

4番目は、2×3×3×3=54

という感じになってます。

 

 

n番目なら、2に、n-1回、3を

掛けるわけなので、

2×3^(n-1)となります。

 

 

3^(n-1)というのは、

3の(n-1)乗のことです。

 

 

等比数列の場合には、初めの項を

初項と呼びますが、これをaとします。

隣にいくと何倍になるか、という数字を

公比といいますが、これをdとします。

 

 

すると、n番目の数字は、

a×d^(n-1)となるわけです。

 

 

という訳で、

初項a、公比dとするとn番目の項は、

a×d^(n-1)となります。

 

 

さて、ここまで、n番目の項の

数を、nを用いて表してきましたが、

これを『一般項』と呼びますので

覚えておいてください。

 

 

一般的に(つまり、何番目の項であってもふつうは)、

項はこのように書けます、という式ですね。

 

 

等差数列の項の和は?

 

ここまで、n番目の項、いわゆる一般項

について考えてきましたが、ここから、

各項の和というものを考えていきますので

頭を切り替えてくださいね!

 

 

各項の和というのは、1番目の項から、

n番目の項まで全てを足した数は、

どうなる?という問題です。

 

 

まずは、等差数列から。

 

 

1,2,3,4,5,6,.....この数列を100まで

足すと、いくつになるでしょう?

 

 

つまり、1+2+3+..+99+100

ということです。

 

 

これ、普通に計算しようと思うと

かなりしんどいですよね。

でも、こんなことを考えた天才が

昔いました。

 

 

   (1~100までの和)=1+2+3+...+99+100

+ (1~100までの和)=100+99+98...+2+1

--------------------------------------------------------

2×(1~100までの和)=101+101+101+...+101+101

 

 

だという風に考えた人がいたのです。

1+2+...+100を逆から並べた100+99+...+1

と、元の式の二つを縦に並べて、左辺同士、

右辺同士を縦に足すと、

 

 

左辺は、1+100=101,2+99=101,3+98=101

という感じですべて101になり、101が

100個出来るというのです。

 

 

つまり、2×(1~100までの和)=101×100で、

(1~100までの和)=(101×100)/2

ということです。

 

 

すごくシンプルですが、これを使えば、

1~100までの和だって、一瞬で求まります。

 

 

これが、等差数列の和には使えます。

等差数列で、初項からn番目までの項を

すべて足した数の和は、

(初項+n番目の項)×(項の数n)/2になります。

 

 

さきほどの、

(101×100)/2つまり(100+1)×100/2

と比べると分かるはずです。

 

 

ここで、

最初の項がa、交差dとすると、

n番目の項は、a+d×(n-1)ですから、

 

 

(初項+n番目の項)×(項の数n)/2

={a+(a+d×(n-1))}×n/2

={2a+(n-1)d}×n/2

となりますので、

 

 

最初の項がa、交差dとすると、

n番目までの項の和は、

{2a+(n-1)d}×n/2となります。

 

 

等比数列の項の和は

じゃあ、今度は、等比数列です。

等比数列も、n項までの項の和を

計算するのはより一層難しいです。

 

 

でも、さっきと似たアイデアで解決出来ます。

初項からn項までの和を、(和)と表します。

ここで、(和)を公比で掛け算したものを

用意します。

 

 

公比×(和)と(和)を縦に並べて引き算すると

どうなるでしょうか。

 

 

下図みたいに、3×(和)は、(和)のすべての項に3を

掛けたものなので、すべての項が一つだけ多く3が

かかったものになります。なので書く位置を、(和)

よりも、すべてひとつずつ右にずらすと、こんな感じ。

 

f:id:want_exam_advice:20160716004033p:plain

 

引き算すると、こうなります。

ここで、初項をa、公比をrとすると、

(和)=a(r^n - 1)/(r-1)

となっていることに注意です。

 

 

つまりこういうことです。

初項をa、公比をrとすると、

(和)=a(r^n - 1)/(r-1)

 

 

階差数列って?

 

等比数列と等差数列が理解

できたら、次は階差数列に

いきたいです。

 

 

階差数列というのは、数列で、

隣同士の差を見たら、新たな数列が

出来ている、という状況です。

 

 

例えば、

5,6,8,11,15...

という数列。

一見、規則性が分かりにくいです。

 

 

でも、よくみると、

 

 

5と6の間は1、

6と8の間は2、

8と11の間は3、

11と15の間は4、

 

 

となっていることが分かります。

これが階差数列です。

 

 

実は、こんなのも階差数列です。

2,7,13,21,32,47

一見、階差数列かどうかも分かりませんが、

二回、階差を取れば分かります。

 

 

こんな風に。

 

f:id:want_exam_advice:20160716013224p:plain

 

 

階差数列は、1階の階差数列のみならず、

2階の階差数列というのもあります。

 

 

この規則性はなかなか見つけにくいのですが、

もし規則性の分からない数列を見つけたら、

隣同士の階差を、見てみるようにしてください。

 

 

すると、その階差が、等差数列になっていたり、

等比数列になっているかもしれません。

 

 

では、階差を見てみて等比や等差になっていた

場合、どうすれば良いのか、をお話します。

 

 

例えば、この数列のn番目の項(一般項)

を求めよ、となった場合。

5,6,8,11,15...

 

 

これを隣同士の差をみると、1,2,3,4....

となっている、一段階の階差数列です。

例えばこの数列の6番目の項は、

こんな感じです。

 

 

f:id:want_exam_advice:20160716100431p:plain

 

 

初項の5に、1をたして、6になり、それに2をたして

8になり、さらにそれに3をたして11になり...

ということで、6番目の項というのは、初項5に、

1+2+3+4+5を足したもの、になっています。

 

 

なので、n番目の項は?といわれると、初項に、

1+2+3+...n-1を足したもの、ということになります。

 

 

つまり階差数列のn番目(今の例だと6番目)

を求めるには、階差数列の初項(今の例だと5)

に対して、

 

 

階差をとったときの等差数列のn-1番目

までの和(今の例だと、1+2+3+4+5)

を足せば良いことになります。

 

 

このとき、和を足すのはn番目まででなく

n-1番目であることに注意してください。

つまり、まとめるとこうです。

 

 

階差数列の初項がgだとします。

そして階差数列の階差をとったときの数列が、

初項a、交差dの等差数列だった場合、

 

 

n番目はこうなります。

g+{2a+((n-1)-1)d}×(n-1)/2

 

 

最初の項がa、交差dとすると、

n番目までの項の和は、

{2a+(n-1)d}×n/2というのは先ほどやったとおりです。

この、nの部分にn-1を入れています。

 

 

ただ、この階差数列のn番目を

求めるのは、公式として覚える

必要はありません。

 

 

要するに、初項に、階差をとって

出てくる数列の和をn-1まで足せば

良いだけなのです。

 

 

それが分かっていれば、階差を

とったときの数列が等比数列でも、

同じように、等比数列のn-1番目までの

項をたせば良いだけなので簡単です。

 

 

一応、書いておくと、階差が等比数列

なってとき、その和はこんな感じです。

g+a(r^(n-1) - 1)/(r-1)

 

 

階差数列自体の初項に、等比数列のn-1

までの和をたしています。

 

 

さっきやったように、等比数列

初項をa、公比をrとすると、

(和)=a(r^n - 1)/(r-1)なので、このnの

部分にn-1をいれたものを足しています。

 

 

 

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